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1/6公式の使い方と記述の書き方のコツ

\dfrac16公式という定積分の公式があります。次のような公式です。

\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx=-\frac16(\beta-\alpha)^3

今回は、この\dfrac16公式を使って面積を求める使い方と記述での書き方のコツについて説明します。次のような人におすすめです。

[box05 title="次のような人におすすめ"]

  • 聞いたことある公式だけど、どう使えばいいのかわからない
  • 色々な形があって覚えられない
  • 記述式でどう書けばいいのかわからない

[/box05]

証明

まずは、\dfrac16公式の証明から始めます。この証明も重要なので、必ず自分で再現できるように何度か練習してください。2、3回書けば覚えられると思います。

\begin{aligned} &\phantom{=}\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx\\&=\int_\alpha^\beta(x-\alpha)\{(x-\alpha)-(\beta-\alpha)\}\,dx\\ &=\int_\alpha^\beta\{(x-\alpha)^2-(\beta-\alpha)(x-\alpha)\}\,dx\\ &=\left[\frac13(x-\alpha)^3-(\beta-\alpha)\cdot\frac12(x-\alpha)^2\right]_\alpha^\beta\\ &=\frac13(\beta-\alpha)^3-\frac12(\beta-\alpha)^3\\ &=-\frac16(\beta-\alpha)^3 \end{aligned}

1行目から2行目に

x-\beta=(x-\alpha)-(\beta-\alpha)

と変形していることに注目してください。これは、(x-\alpha)のカタマリを作り出すために変形しています。なぜ(x-\alpha)のカタマリを作るのかは、この後に分かります。

(x-\beta)から(x-\alpha)のカタマリを引きずり出すのは、慣れるまでは難しいかもしれませんが、この公式に限らず様々な場面で出てきます。自分にとって都合のいいカタマリを作り出していくのは数学のテクニックです。

(x-\alpha)のカタマリを作ったことで、3行目以降はすべて(x-\alpha)の積分になります。そうすると、4行目の定積分で範囲下限の\alphaを代入するとすべての項が0になります。これが(x-\alpha)のカタマリを作った目的です。\alphaを代入した時に0になるためでした。

最後は、\dfrac13-\dfrac12=-\dfrac16より\dfrac16公式が導けました。結果をもう一度書きます。

\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx=-\frac16(\beta-\alpha)^3

\dfrac16公式で覚えなければいけないのは、この結果だけです。このときに、

  • 係数は必ず-\dfrac16になり、マイナスが付く
  • 3乗になる

の2点をしっかりと覚えてください。一度証明をしっかりと自分で書けば、自ずと覚えられると思います。

色々な公式を覚える必要はない

この\dfrac16公式は多くの場所で取り上げられており、色々な変形パターンが載っていることも多いですが、不必要にパターンが増えているだけで全く非効率です。

式変形を繰り返していけば必ず最も原理的な形に帰着するので、覚えるべき公式は1つだけで十分です。色々な形を覚える必要はなく、どのパターンでも最初の1つの式だけで対応できます。

数学が出来るようになるコツは、色々な公式を闇雲に覚えることではありません。種々の問題が結局は同じ問題に帰着できることに気づく力が数学力なのです。色々なパターンを覚えることに熱を上げないでください。

\dfrac16公式は、あくまで定積分の公式であって、面積の公式ではありません。積分をしていく途中で\dfrac16公式の形が出たら使えるというだけであって、面積を求めるときでなくても当然使えます。なぜか面積のときにしかこの公式を使おうとしない人がいますが、そのようなことはありません。

まとめると、

定積分の途中で

\displaystyle\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx

という形が出てきたら、すぐに

-\dfrac16(\beta-\alpha)^3

と答えを書く

となります。

面積の求め方

\dfrac16公式は定積分の公式ですが、やはり実際には面積を求める問題で非常に多く遭遇します。面積を求めるときにはどのように\dfrac16公式を使えばよいのか、解説します。

結論からまとめます。

[box04 title="1/6公式を使って面積を求める方法"]

  1. 公式を無理に使おうとせず、素直に面積を求める積分の式を書く
  2. 交点を解に持つことを利用して因数分解された結果だけを書き、係数を積分の外に出す
  3. \dfrac16公式を使って定積分の結果のみを書く

[/box04]

この3ステップで答えまで一気に求めるのがコツです。

放物線と直線

実際の問題で使ってみます。

問題

放物線y=x^2-1と直線y=x+1で囲まれた部分の面積Sを求めよ。

解答

交点は

\begin{aligned} &x^2-1=x+1\\ &(x-2)(x+1)=0\\ &x=-1,\,2 \end{aligned}

よって、求める面積S

\begin{aligned} S&=\int_{-1}^2\{(x+1)-(x^2-1)\}\,dx\\ &=-\int_{-1}^2(x-2)(x+1)\,dx\\ &=-\left\{-\frac16(2-(-1))^3\right\}\\ &=\frac92 \end{aligned}

手順を説明します。まず最初に、素朴に面積を求める式を書きます。今は直線が放物線の上側にあるため、直線の式x+1からx^2-1を引きます。このとき、上下関係を間違えないように気をつけてください。

次に、被積分関数を因数分解します。ただし、真面目に因数分解する必要はありません。既に、次の情報が分かっているからです。

  • x+1x-2を因数に持つ
  • x^2の係数は-1

1番目の情報は、交点がx=-1,\,x=2であることから分かります。2番目の情報は、被積分関数をよく見ればx^2の係数は-1にしかならないことが分かります。

因数分解するにはこの2つの情報が分かれば十分なので、イチから因数分解する必要はありません。いきなり

(x+1)-(x^2-1)=-(x-2)(x+1)

と因数分解した結果だけを書きます。

生徒を見ていると、この因数分解が見えない人が多いです。そのため、被積分関数の因数分解をイチからやり直そうとするのですが、x=-1x=2を解に持つことは最初の問題設定にある交点という条件から直ちに分かることなので、改めて確認する必要はありません。

因数分解すると、x^2の係数が分かります。この場合は-1ですが、これはさっさと積分の外に出すことがコツです。そうすると、最初の\dfrac16公式の形と同じになります。

\dfrac16公式は、

\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx=-\frac16(\beta-\alpha)^3

という形でした。この形はx^2の係数は1ですから、余計な係数は外に出してしまうことでこの形に合わせます。この形だけを使うことで、記憶量を減らします。

よって、最後は\dfrac16公式の形を直接使うことで、機械的に答えが出ます。

このときに、

  • 放物線と直線がどのような関係になっているかは計算中に考える必要はない(最初に考えているため)。
  • 勝手にマイナスを取ったり、絶対値をつけたりしない。必要ない。
  • 計算があっていれば面積がマイナスになったりすることはない。そのときには、最初の被積分関数の関係が間違っているので見直す。結果だけプラスにしたりすると記述式では減点される。

という点に注意してください。

放物線と放物線

次の問題ではどうでしょうか。

問題

次の2つの放物線で囲まれた部分の面積を求めよ。

y=x^2+2x,\,y=-x^2+4

解答

交点は

\begin{aligned} &x^2+2x=-x^2+4\\ &(x+2)(x-1)=0\\ &x=-2,\,1 \end{aligned}

より、求める面積S

\begin{aligned} S&=\int_{-2}^1\{(-x^2+4)-(x^2+2x)\}\,dx\\ &=-2\int_{-2}^1(x+2)(x-1)\,dx\\ &=-2\left\{-\frac16(1-(-2))^3\right\}\\ &=9 \end{aligned}

この場合は、x^2の係数が-2になり、x=-1,\,2であることから因数分解し、\dfrac16公式を適用させました。

ここで重要なポイントは、

  • 放物線と直線
  • 放物線と放物線

のどちらでも\dfrac16公式の使い方は全く変わらないということです。しばしば、この2つを区別して覚えようとしている人を見ますが意味のないことです。どちらも同じ被積分関数に帰着するので、同じ問題になります。

まとめ

\dfrac16公式と呼ばれる

\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx=-\frac16(\beta-\alpha)^3

という結果を覚える。

[box04 title="1/6公式の使い方"]

  1. 公式を無理に使おうとせず、素直に面積を求める積分の式を書く
  2. 交点を解に持つことを利用して因数分解された結果だけを書き、係数を積分の外に出す
  3. \dfrac16公式を使って定積分の結果のみを書く

[/box04]

\dfrac16公式を使いこなせると、積分のスピードが大幅に上がります。必ず瞬時に計算できるようにしましょう。

 

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岡田

ラディカル高校数学管理人の岡田です。地方公立高校から一浪して東京大学理科一類に合格。現在工学部在学中。都内で塾講師として高校数学を教え、100人以上の生徒を見てきました。自分の経験を活かして高校数学をわかりやすく教える活動をしています!

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