図形と方程式 数学II 点と直線

直線の方程式ax+by+c=0型の意味と垂直条件・平行条件

中学数学では、

y=mx+n

という直線の方程式を習いました。高校数学では、直線の方程式として新たに

ax+by+c=0

という形を学びます。

今回は、このax+by+c=0型の直線の方程式について解説します。

基本の直線の方程式

 

最初に、中学数学で扱ったy=mx+n型の直線の方程式について復習します。

y=mx+nの直線の方程式は、mが直線の傾き、ny切片を表しています。傾きとは、x軸方向に1進んだときにどれだけy座標が上がるかを表しています。

一般の直線の方程式

中学数学では、直線の方程式をy=mx+nの形で表しましたが、これは

mx-y+n=0

のように変形できるので、直線の方程式はすべて

ax+by+c=0

という形にすることが出来ます。

この直線が(x_0,\,y_0)を通るとすると、

\begin{cases} ax+by+c=0\\ ax_0+by_0+c=0 \end{cases}

が成立します。辺々を引いて

\begin{aligned} a(x-x_0)+b(y-y_0)=0\\ \dbinom{\,a\,}{b}\cdot\dbinom{\,x-x_0\,}{y-y_0}=0 \end{aligned}

を得ます。これは直線ax+by+c=0法線ベクトル\dbinom{\,a\,}{b}を持つことを意味しています。これが直線ax+by+c=0の意味です。

この事実は非常に重要です。直線の方程式ax+by+c=0を見たら、問題文に書いていなくても法線ベクトル\dbinom{\,a\,}{b}を持つことをすぐに読み取り、図に描きます。このときに、ベクトルの向きはどちらでも適当で構いません。

これは問題解決に必ず役立つので、すぐに読み取れるようにしてください。

直線の方程式ax+by+c=0を見たら、法線ベクトル\dbinom{\,a\,}{b}を読み取る

この法線ベクトルの考え方は、次の2つの公式で使います。

  • 垂直条件と平行条件
  • 点と直線の距離の公式

今回は、この2つのうち垂直条件と平行条件について扱います。

2直線の垂直条件と平行条件

2直線l_1,\,l_2

\begin{cases} l_1:ax_1+by_1+c_1=0\\ l_2:ax_2+by_2+c_2=0 \end{cases}

であるとします。それぞれの法線ベクトル\bm n_1,\,\bm n_2

\bm n_1=\dbinom{\,a_1\,}{b_2},\ \bm n_2=\dbinom{\,a_2\,}{b_2}

で表されます。この2つの法線ベクトルを使っていきます。

垂直条件

2直線l_1,\,l_2が垂直であるとは、それぞれの法線ベクトルが垂直であることと同値です。つまり、

\begin{aligned} l_1\perp l_2&\Longleftrightarrow \bm n_1\perp \bm n_2\\ &\Longleftrightarrow\bm n_1\cdot\bm n_2=0\\ &\Longleftrightarrow a_1a_2+b_1b_2=0 \end{aligned}

となります。

平行条件

2直線l_1,\,l_2が平行であるとは、それぞれの法線ベクトルが平行であることと同値です。つまり、

\begin{aligned} l_1\small{/\mkern-5mu/} l_2&\Longleftrightarrow \bm n_1\small{/\mkern-5mu/} \bm n_2\\ &\Longleftrightarrow a_1:a_2=b_1:b_2\\ &\Longleftrightarrow a_1b_2-a_2b_1=0 \end{aligned}

となります。

条件をまとめると、次のようになります。

2直線の垂直条件と平行条件

垂直条件:a_1a_2+b_1b_2=0

平行条件:a_1b_2-a_2b_1=0

さて、この垂直条件と平行条件ですが、これを覚えるのは大変です。

しかし、導出が理解できていれば実はこの公式は覚える必要がありません。実際の問題で使ってみましょう。

実際の問題での使い方

問題

次の2直線は、それぞれ平行、垂直のいずれであるか。

(1) y=4x+1,\,y=4x-3

(2) y=3x-1,\,x+3y+2=0

(3) 2x+3y=3,\,4x+6y=5

(4) 3x+4y=2,\,4x-3y=1

ax+by+c=0型の方程式を見たときに、y=mx+n型に直してしまう人がいますが、直してはいけません。

大切なのは、ax+by+c=0の方程式のまま式が見えるようになることです。y=mx+nに直していては、問題が解けるようになりません。

まず、xyの係数をしっかりとよく見てください。注目するポイントは

  • 係数同士を掛けて合わせると0にならないか
  • 係数の比が同じでないか

の2つです。

係数同士を掛けて合わせると0になるというのは、法線ベクトルの内積が0になることを意味しているので、このときは垂直であることが分かります。係数比が同じならば、平行です。

解答

(1) 係数比が等しいので、平行

(2) (-3)\cdot 1+1\cdot 3=0 より垂直

(3) 係数比が等しいので、平行

(4) 3\cdot 4+4\cdot(-3)=0 より垂直

大切なのは、2つの直線を見た瞬間に、それが垂直か、平行か、もしくはいずれでもないのかをすぐ判断できることです。この能力があると、問題の見通しがよくなります。いちいちy=mx+nなどの形に変形する必要はありません。

垂直、平行な直線を作る

さて、垂直と平行が判断できるようになれば、次は垂直や平行を作ることが出来るようになります。

問題

(3,\,-1)を通り、直線3x+2y+1=0に垂直な直線、平行な直線の方程式をそれぞれ求めよ。

与えられた直線は3x+2y+1=0なので、法線ベクトルは\dbinom{\,3\,}{2}です。これに垂直なベクトルのひとつは\dbinom{\,2\,}{-3}です。

垂直をベクトルを作るコツは、内積が0、つまり成分同士を掛けて合わせて0になるように成分を調整することです。今、元の法線ベクトルは\dbinom{\,3\,}{2}なので、このベクトルに垂直なベクトルのx成分を2y成分を-3にすれば、

3\cdot 2+2\cdot(-3)=0

でちょうど0になるので、垂直なベクトルが作れました。

内積が0になればいいので、例えば\dbinom{\,-2\,}{3}でも構いません。拡大・縮小しているだけで同じ方向のベクトルになります。

求める直線は、法線ベクトル\dbinom{\,2\,}{-3}を持ち、さらに(3,\,-1)を通る直線なので、直線の方程式はすぐに求まります。

また、平行な直線のときには係数比を3:2のまま変えず、(3,\,-1)を通るようにすればよいです。

解答

垂直な直線は2(x-3)-3(y+1)=0より2x-3y-9=0

平行な直線は3(x-3)+2(y+1)=0より3x+2y-7=0

法線ベクトルを見ることが重要

ax+by+c=0型の直線の方程式で大切なのは、法線ベクトルを読み取ることでした。法線ベクトルを見ることで、垂直な直線と平行な直線を手軽に作ることが出来ます。

また、この法線ベクトルは点と直線の距離の公式にも使います。ぜひ覚えておいて下さい。

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岡田

ラディカル高校数学管理人の岡田です。地方公立高校から一浪して東京大学理科一類に合格。現在工学部在学中。都内で塾講師として高校数学を教え、100人以上の生徒を見てきました。自分の経験を活かして高校数学をわかりやすく教える活動をしています!

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