不定積分 数学III 積分法

置換積分を高速に計算するテクニック(カタマリ編)

今回は、

\int x\sqrt{x+1}\,dx

の不定積分を考えます。

多くの人は、\sqrt{x+1} = tと置換して置換積分に持ち込むのではないでしょうか。しかし、実はその必要はありません。次のように考えます。

カタマリがなければ自分で作る

数式を見るときに大切なのは、数式の中からカタマリを見つけることです。一見カタマリが見つけにくいときでも、実は少しの工夫でカタマリを作り出すことができるときがあります。

今回は、x+1をカタマリとして作り出すため、x\sqrt{x+1}

\begin{aligned} x\sqrt{x+1}&=\{(x+1)-1\}\sqrt{x+1}\\ &=(x+1)^\frac32-(x+1)^\frac12 \end{aligned}

と変形します。これにより、確かに数式にはx+1のカタマリしか存在しなくなりました。

この変形が思いつけると、積分が驚くほど簡単です。

\begin{aligned} \int x\sqrt{x+1}\,dx&=\int \{(x+1)-1\}\sqrt{x+1}\,dx\\ &=\int \{(x+1)^\frac32-(x+1)^\frac12\}\,dx\\ &=\frac25(x+1)^\frac52-\frac23(x+1)^\frac32+C \end{aligned}

で終わりです。わずか3行にて終了です。

多くの人は、\sqrt{x+1} = tなどと置換して計算量が多くなってしまい、試験時間を無駄に浪費してしまいます。しかし、この計算方法がわかっていると、試験で圧倒的な差をつけることが可能です。

それでは、次に

\int \frac{x}{\sqrt{x+1}}\,dx

はどうでしょうか。この問題も方針は同じです。x+1のカタマリを作ります。

\begin{aligned} \int \frac{x}{\sqrt{x+1}}\,dx&=\int \frac{\{(x+1)-1\}}{\sqrt{x+1}}\,dx\\ &=\int \{(x+1)^\frac12-(x+1)^{-\frac12}\}\,dx\\ &=\frac23(x+1)^\frac32-2(x+1)^{\frac12}+C \end{aligned}

これで終わりですね。拍子抜けするほど簡単です。

多くの人は、置換積分でごちゃごちゃと置換をしてしまい、時間と体力を無駄に消耗してしまいます。もったいのないことなので、カタマリが作れるように練習しておきましょう。これだけで周りの受験生と大きな差をつけることが出来ます

カタマリが無いように見えて、実は作り出すことができる変形は積分だけでなく他の単元でもよく使う強力な手法です。ぜひできるようにしておきましょう。

 

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岡田

ラディカル高校数学管理人の岡田です。地方公立高校から一浪して東京大学理科一類に合格。現在工学部在学中。都内で塾講師として高校数学を教え、100人以上の生徒を見てきました。自分の経験を活かして高校数学をわかりやすく教える活動をしています!

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